第24章 力 3
ダメージを負ったことでスタンドの力が弱まり、私と承太郎はパイプから解放される。だが、解放されて気が抜けたのか、足に力が入らなくて上手く立てない。私は座り込んだまま倒れたオランウータンの方を見た。
オランウータンはさっきまでとは打って変わって、腹を私たちの方へ向け怯えた目をしている。
が、すでに動物としての領域を越えているオランウータンを承太郎が許すはずもなく、スタープラチナで船外へ殴り飛ばした。
呆然とその様子を見ていたアンに承太郎が声をかける。
「おい、たまげるのはあとにしな。この船はもう沈むぞ。脱出するぜ、乗ってきたボートでな。」
「承太郎、ごめん。腰が抜けて立てないや。」
「やれやれ。」
承太郎は顔をしかめたが、スタープラチナが私を担いでくれた。そして急いで、来た道を戻り船上へ向かった。
おじいちゃんや花京院たちは、すでに乗ってきたボートに乗り込み脱出の準備をしていた。私たちに気がついたポルナレフが叫ぶ。
「おい、お前ら急げ!このままだと船が沈んじまう!」
力が回復してきた私は、ソードマゼンダで風を起こし、三人まとめて船まで飛ばした。全員乗り込んだところで、船を海へと下ろす。
「し、信じられないわ。船の形が変わっていく。」
貨物船はどんどん小さくなり、ボロボロの小舟になった。
「あいつ、自分のスタンドで海を渡ってきたのね。」
「恐るべきパワーだった。はじめて出会うエネルギーたった。」
「恐ろしいと言えば、アンナ。お前またどうしてそんな格好してるんだ?」
「あっ…。」
言われてみて、自分の姿に気がついた。さっきの戦いで、オランウータンにTシャツを破られたんだった。下はジーンズのままだったが、上はブラジャー1枚しか着ていない状態。当然、みんな目を合わせずらそうにしており、花京院に至ってはそっぽを向いているものの、耳まで真っ赤だった。緊急時だったとは言え、迂闊すぎたわね。
それにしてもポルナレフ。恐ろしいと聞いて私の格好を思い出すなんて少し失礼じゃあないか?
「ほらよ、これでも着ておけ。」
私があれこれ考えている間に、ポルナレフはバッグの中から自分の服を取り出した。
「ありがとう。」