第24章 力 3
ポルナレフの服を着てみたものの、私はこのまま着ておくべきか迷った。
ポルナレフは、がたいがいい。そんな彼の服はやはりサイズもでかい。私が着ると、丈は長く膝丈のワンピースのようになってしまった。おまけに胸元が大きく開いているため、谷間が見えてしまっている。
「ひゅー!いかしてるぜ。」
「はいはい。私は、まあ服さえ着れれば良いんだけどさ。」
私はさっきから目を合わせてくれない彼の方をちらりと見た。
「花京院はどう思う?」
「ぼ、僕ですか?」
呼ばれると思っていなかったのか、花京院は少し上ずった声で答えた。アメリカやフランスならともかく、恐らく日本ではこんな大胆な服装をする人はそういないだろう。彼が目のやり場に困らないのであれば、私も楽だからこの格好で良いんだけれど。
「僕はその、見た目で人の心が変わるとは思わない…ので。」
大丈夫です…と消え入りそうな声で続ける花京院は、目が泳いでいた。
「アンナ、薄着で風邪を引くといけない。これを羽織ると良い。」
アヴドゥルは自分の上着を脱いで私の肩に掛け、たしなめるような目で私を見た。花京院を見かねて、助け船を出してくれたらしい。
「ありがとう、アヴドゥル。」
ようやく落ち着き、私は一息をついた。
日本を出てもう4日。すでに1ヶ月くらいたったんじゃないかと思うくらい色んなことがあったな。
「やれやれ、もくがしけちまったぜ。」
「乾かす太陽と時間は充分にあるぜ、ジョジョ。」
「無事救助されてシンガポールにつくことを祈るしかないな。」
「あら。救助されなくても、方向さえわかればソードマゼンダの風で進めるわよ。」
そんな軽口を言い合いながら、夜はだんだんと更けていった。