第23章 力 2
私は承太郎、ポルナレフのグループと合流して、一緒に船内を見て回っていた。
「しっかし妙だな。やっぱり、俺たち以外に人がいる気配がしねーぜ。」
「船にいたのはあのオランウータンだけか。」
オランウータンか…。
考えてみれば、やっぱりさっきのオランウータンの行動はおかしかった気がする。猿にしてはあまりに賢い、それにあの目付き。
とは言えいきなりいっても信じてもらえないだろうな。
「不可能な物を消去していったとき、たとえどんなにありえそうになくても、残ったものこそが真実である…。」
「シャーロック・ホームズか?」
「ご名答。さすがだね、ワトソン君。」
「アンナ。てめー、何が言いたい。」
承太郎は眉を潜めて私を見た。直球で言うよりいいかと思ったけど、承太郎には遠回しな説明は逆効果だったみたい。
「まさかあのオランウータンがスタンド使いだってのか?ただの猿にそんなことできるか?」
「あくまで可能性の話よ。人がいないなら、唯一船にいたオランウータンの方が可能性が高いんじゃないかと思っただけ。」
「もし猿がスタンド使いなら、1匹だけで船に乗り込んでくるか?猿に運転なんてできるわけねえし。力はともかく、頭は人間の方が賢いんだぜ。俺たち六人を相手にできるとは思えないね。」
そうだと良いけど。
今の状況で下手に言い返しても無駄だと思い、私はこれ以上は言わなかった。
承太郎も私たちの話を黙って聞いているだけだった。