第22章 力 1
「いつの間にこんな近くまで来ていたんだ!?」
「気づかなかった!」
船は、親切にもタラップを降ろしてくれていた。
みんながタラップを上ろうと歩き始めたけれど、承太郎は立ち上がらず眉を潜めて船を見ている。
私の視線に気がついた承太郎と目があう。私と同じことを考えているらしい。
助けに来てくれたのだとしたら、なぜ船から誰も顔を出さないのか?と。
動こうとしない私たちを見ておじいちゃんが声をかけてきた。
船に誰も見えないことを伝えると、おじいちゃんも船を見上げた。
「ここまで救助に来てくれたんだ。誰も乗ってねえわけねえだろうが!! 」
たとえ全員がスタンド使いだとしてもこの船に乗るぜ、とポルナレフが勇み足でタラップを上っていった。
今は悩んで立ち止まってる場合じゃないわね。
「承太郎、この船じゃシンガポールにはいけない。今は貨物船に乗せてもらいましょう。もしスタンド使いがいれば、その時戦えばいい。」
そう言うと、私はポルナレフに続いてタラップを上った。
その後アンに手を貸そうとした承太郎が、見事にフラれてしまったことは、見て見ぬふりをしてあげることにした。