第8章 花京院典明 2
「い、一緒にですか?」
花京院は不思議そうな顔で私を見る。
「そうよ?ホリイちゃんのご飯は美味しいけど、一人で食べたら味気ないでしょ?あなた、悪い人じゃないみたいだし。」
「ジョジョからなにも聞いていないのですか?」
「恥ずかしい話、ついさっきまで寝てたから何も知らなくて…。その話も聞きたくてさ。さ、食べながら話しましょ。」
それから私たちは一緒に食事をした。
彼は自分が生まれつきのスタンド使いで、ディオに操られていたこと。そして、ディオの命令で承太郎を殺しに来たが逆に承太郎に助けられたことを話してくれた。
「そんなことがあったの。大変な一日だったわね。」
そりゃあ誰も起こしに来てくれないわけだわ。
私は妙に納得した。
「僕は彼のお陰で目が覚めたんです。彼には感謝しています。」
「承太郎は何だかんだいって優しいから、見殺しになんてできなかったんでしょうね。おかしな言い方だけど、いい人に倒されてよかったね。」
「ふふ。ほんと、おかしな言い方ですね。」
「そういえば、私のスタンド、まだ見せてなかったね。この子の名前はソードマゼンダよ。」
私はスタンドを出現させた。
「この子には二つ力があってね、風を操能力と、傷を治す能力があるの。あ、そうだ!あなたのも治してあげる。傷を見せて。」
肉の芽があったと言う額の傷を治し、それから体の傷も治していった。傷を治している間、彼は黙ってソードマゼンダを見ていた。
「ほら、治ったよ。」
「あ、ありがとう…ございます。」
彼は治った自分の体をまじまじと見つめた。
「なんと言うか、優しい能力ですね。」
「どうだろう。実はこの能力、二つのものを融合したり、殴ったあと変な顔に治したり結構悪どいこともできるのよ?」
花京院が怪訝な顔をして自分の体を見る。
「だ、大丈夫よ。ちゃんと治したから!そんな不安な顔しないでよ。」
「あ、いえ。そんなつもりはなかったのですが。本当にありがとうございます。お陰ですっかり治りました。」
「それは何よりです。」
そう言って、ソードマゼンダはハイエロファントグリーンに向かって会釈する。
すると、突然引き戸が開いた。