第50章 運命の車輪 2
「ふ~ん。で、どんなところが好きなの。」
「どこって言われても、答えられないわ。全部、とでも言えばいいのかしら。」
「お姉さん顔が真っ赤よ!ほんとにその人が好きなのね。」
なんでこんな恥ずかしいこと答えなきゃいけないのよ。
ふと前の座席に目を向けると、こちらを見ていた花京院と目が合った。
花京院は私の視線に気がつくと、バツが悪そうに前を向いてしまった。
まさか、今の話きかれてた…?
「はいはい、大好きですよ!もう答えたでしょ?この話はおしまい。」
羞恥心が限界に達して、私は無理やり話を終わらせる。
アンちゃんの方をもう一度見ると、ニヤリと笑ってVサインしていた。
わざと大きな声で話してたのね。
「くそガキ!」
「ひっどーい!これでも、お姉さんのためを思ってるのよ!」
アンちゃんは不服そうにギャーギャーと文句を言っていたが、もう相手にしないことにした。
「おい、花京院。さっきから様子が変だぜ。具合でも悪いのか?」
「ぼ、僕は大丈夫だ、ポルナレフ。運転に集中してくれ。」
花京院とポルナレフのやり取りは、後ろの席の私達には聞こえなかった。