第48章 幕間
ハイエロファントが最初に見つけたのは、恰幅の良い男性。
上質なシルクの服を着ていて、見るからに裕福そうな装いをしていた。
「じゃあ行ってくるから。」
さすがに3人で押しかけると警戒されるので、まずは私一人で男性に近づくことにした。
承太郎と花京院は、万が一のときのために見えるところで待機だ。
「大丈夫だろうか…。」
「まあ見てな。やる時はやるやつだぜ。」
背中を見送る二人の声は、小さくて私には聞こえなかった。
私はまじない師を装い、彼に近づいた。
占いのポイントは「相手の心を言い当てることではなく、引き出すこと」ってアヴドゥルが言っていたことを思い出す。
私はアヴドゥルが占いをしている姿を思い出しながら、見様見真似でカウンセリングをしていった。
話を聞くと、どうやらこの男性の父親が、数年前に遭った事故で歩けなくなったらしい。
一人目でうまくいきそうだと、私は後ろで控えている二人にサインを送った。
男性の自宅に招かれ、彼の父親の治療を行った。
もちろん、相手にスタンドは見えないから、私がおまじないをかけているように見せかけて。
「うまくやったな。」
「ありがと、承太郎。自分でもちょっと驚いてる。」
その後作戦は無事成功し、私達は四輪駆動車を手に入れた。
「まさか、旅の支度までバッチリしてくれるなんてね。」
父親が歩けるようになったことにひどく感動した男性が、車だけでなく旅に必要な食料や水もたっぷり用意してくれたのだ。おじさんが良い人で助かったわ。
「何というか。ここまでしてもらうと、さすがに少し申し訳なくなりますね。」
「くれるっつーなら、もらっときゃあいいんだよ。」
「承太郎。あんたのそういうところ、嫌いじゃないよ。」
「おーい!お前さん達、こんなところにおったのか。随分と探したんじゃぞ。」
タイミングよく、おじいちゃんとポルナレフが現れ私達は無事に合流することができた。