第36章 皇帝と吊られた男 4
子供の目の中にいるハングドマンは、ちょうど私達の後ろに立って「クククク」と高笑いをしている。
「子供の目の中に!」
「おい小僧!俺たちを見るな!」
ポルナレフと花京院は勢いよく立ち上がり、子供の目から逃れようと動き出した。
私も立ち上がろうとするけれど、背中が痛んで素早く動けない。
「アンナさん、立てますか?僕の後ろから離れないでくださいね。」
そんな私を見かねて、花京院が私を庇うように立った。
「ありがとう、花京院。」
そうは言っても、私のために花京院が傷つくなんて絶対に嫌だ。
もし子供がこっちを向いたら、ソードマゼンダを出して花京院だけでも逃さないと…。
そう思って身構えて見るものの、子供は私達の方を見ることはなかった。
子供は、「見るな!」と大声を出して逃げ回るポルナレフの方を追いかけていたからだ。
「目で追うな、コラ!」
ポルナレフが「見るな」というほど、子供はしつこく食い下がる。
いつまでも離れようとしない子供に、ポルナレフはだんだん苛立ち始めた。
「野郎ォ~!J・ガイル!」
「ククク。どうするね!まさかこの可愛い子供の目をその剣で潰すというのかね?ポルナレフ。クククククククククク。」
ハングドマンは余裕の表情で、ポルナレフの首を絞めつける。
ハングドマンの手を引き離そうにも、鏡の中にしか姿がないためどうすることもできない。
もがき苦しむポルナレフを見て、ハングドマンは笑い声を漏らす。
「ついにとらえたぞ…。もう逃れられん。子供の目をつぶさん限りなあ。ククククク。」
「この卑怯者!」
「なんて卑劣な男だ。アヴドゥルを卑怯にも後ろから刺し、そして今!子供を攻撃できないのを知って利用する…。ゆるさん!」
怒りに身を震わせる私と花京院を見て、ハングドマンは更に嬉しそうに顔を歪めた。