第33章 皇帝と吊られた男 1
無事船から降り、港にたどり着いたものの
「バクシーシ!めぐんでくれよ!」
「毒消しいらない?お腹壊さないよ?」
「お姉さんキレイね!ブレスレットいかが?お守りになるよ?」
あまりの人と賑やかな歓迎に、私達は足止めを食らっていた。
活気というより、もはや喧騒に近い。
これは想像の斜め上だったわね。
「これじゃ前に進めないわ。」
「僕はもう財布をすられてしまった。」
「え、大丈夫なの?」
花京院は財布を取られてしまったようだが、この人混みの中じゃとてもじゃないけれど犯人は見つからないだろう。
次から次へと声をかけられて、私たちは途方に暮れていた。
「こら!ハナをつけるな、ハナを!」
おじいちゃんは未だによくわからない薬を売りつけられているし、ポルナレフに至っては子供にハナまでつけられてる。
承太郎は子供たちに囲まれているが、まったく動じない。あんなにうるさくされたらすぐにでもブチ切れそうなのに。
大人しくされるがままにされているのは、少し意外だった。
おじいちゃんは困惑気味にアヴドゥルの方を振り返った。
「ア、アヴドゥル。これがインドか?」
「ね?いい国でしょう?これだからいいんですよ、これが!」
「ハハ…」
やっぱりアヴドゥルは、インドにハマるタイプだったか。
その後私達はやっとの思いでタクシーに乗り込み、繁華街の方へと出発した。
アヴドゥル。
インド初めて組は、この国に慣れるのにかなり時間が掛かりそうよ。