第30章 火の棒と大地の金貨 2
「花京院!」
本物のように見えるけど、敵の罠かもしれない。
さっきの二の舞になるのはごめんだわ。
私は花京院の方へ駆け寄ると、その頬を力いっぱいつねった。
「イタタ…。どうしたんです?アンナ!?」
あ、触れる。
目の前の彼が幻覚ではないとわかり、私はすぐに手を離した。
「いきなりごめんなさい。あなたが本物か確かめたかったのよ。」
「例の自在に化けられるスタンド使いですか?」
花京院は少し警戒しながら周囲を見渡した。
さすが花京院。物分りが早い。
「いいえ、承太郎を襲ったのとは別のスタンド使いよ。一人は幻覚を出すスタンド使い。もう一人はおそらく自在に伸びる棒状のスタンドの二人組なの。」
「恐らく、というのは?」
「幻覚で姿を消されてスタンドの正体がわからないのよ。」
「なるほど、それは確かに厄介ですね。もしかすると、アンナが最初に見た2人さえ幻覚だった可能性もあります。目に見えるものは全て疑った方がいい。。」
「そうね。そのことで1つ提案があるんだけど、いい?」