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【ジョジョ】タロット~剣の暗示を持つもの~

第30章 火の棒と大地の金貨 2



「花京院どこにいくの?」

無言で歩き続ける花京院に私は違和感を覚えた。

「ポルナレフ達がタバコを吸うと言い出してね。屋上ですることになったんだ。」

ふーん、と気のない返事をする。
タバコを吸うにしてもベランダで吸えばいい話。
それをわざわざ屋上に呼び出すだなんて。
いつどこに敵がいるか旅なんだから、せめて部屋にしなさいよ。
2人と合流したら注意しなきゃ、と思いながら私は花京院の足を追った。
頭を見ていると背が高くて首が痛くなるからね。


そんなことを考えながら、屋上のドアを開けると、突然花京院が消えた。
承太郎たちもいない。かわりに見知らぬ男が二人。
体格のいい大男と、背の低い小太りの男。

「してやられたってわけね。」

「状況を理解したようだな。俺の名はグランド。スタンドは、富、安定を暗示する“コイン・オブ・ブラウン(大地の金貨)”。」

大男の方がそう名乗った。手には煙を出す壺を抱えている。おそらくあの煙で花京院の幻覚を見せていたのだろう。

「おいらはファイア。スタンドは直感と情熱の暗示を持つ“バーニングワンド(燃え盛る松明)”。」

ファイアと名乗る男の手には長い棒が握られていた。

「その棒で戦うつもり?まるで孫悟空ね。猪八戒みたいな体格のくせに。」

「ヒヒッ。減らず口叩いても無駄だ。お前がどれほど強くても俺たちにゃ勝てねぇよ。」

「まかさ何の疑いもなく、のこのこと付いてくるとはな。もっと頭の切れるやつかと思っていたぜ。」

悔しいが、全く持ってその通りだ。
シンガポールでも花京院に変身した敵に遭遇したところだと言うのに。
花京院が来てくれたと思って浮かれてしまった自分が恥ずかしい。

「ふん。アンタたちなんか私一人で充分だからよ。」 

強がっているのを知ってか、ファイアはさらに笑った。
2人とも戦闘力向きのスタンドではなさそうだが、2対1では流石に分が悪い。せめてどちらかを先に倒さないと。
そう思いグランドの方を見ると、そこには誰もいなかった。

「何!?うっ!」
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