第30章 火の棒と大地の金貨 2
花京院side
ー承太郎たちの部屋ー
「おい、そろそろ寝るぞ。花京院。」
「ああ。」
「しっかし、まさか承太郎がこんなに寝付きが良いとは思わなかったぜ。トランプでもしようと思ってたのによ。」
ポルナレフは落書きでもしてやろうかと言いながら、寝息をたてる承太郎の方を見ている。
「確かにそうですね。」
そういって僕も承太郎の方を見た。
彼の言うとおり、少し意外な一面を知った気分だ。
とは言え、僕たちはまだ出会って数日しか過ごしていない。
きっと知らないことのほうが多いだろう。
「ポルナレフ、旅は長いんだ。僕たちも休めるときに休んでおこう。」
「へいへい。お堅いねー、日本の学生は。」
そんなんじゃモテねーぞ、なんて軽口を言いながら、ポルナレフは部屋の電気を消しに行く。
部屋が暗くなると、すぐさま寝息が2つに増えた。
「君もなかなか寝付きが良いと思うぞ、ポルナレフ。」
花京院は苦笑いして、何気なく窓の外を眺めた。
「あれ、アンナ?」
窓の外には一人で階段を上るアンナが見えた。
屋上には見覚えのない人影が2つ。
(まさか、敵のスタンド使いか?)
僕は靴を履くのも忘れて、急いで屋上へと向かった。