第28章 黄の節制 2
「アンちゃん、ずいぶん大変だったみたいね。」
夕食も入浴もすませ、私たちはベッドの縁に座って話をしていた。
「平気よ。ジョジョが助けてくれたもの。」
「逞しいねえ。」
そうは言っても、ホテルにもスタンド使いがいたわけだし、立て続けに敵が襲ってきている。ホテルでも安全とは限らない。
この子を守るためにも、今夜は用心しないと。
ピンポーン
「はーい、お姉さん私が出るわ。」
アンが駆け足で玄関へと向かう。
「ジョジョ!?」
「部屋替えだ。アン、お前は花京院のところへ行け。」
承太郎は自分の荷物も一式持ってきている様子だった。そして部屋の奥にいる私に目配せをする。なるほど、女二人じゃ心配ってことね。
「ジョジョは?」
「俺はこっちの部屋で寝る。」
「えー!どうせならジョジョと同じ部屋が良い!」
そう言いながら、アンは不服そうな顔をする。
「それなら、私がそっちの部屋に行くわ。女二人じゃなきゃ問題ないでしょ?」
そう言うと、今度は承太郎が不服そうな顔をした。案外似た者同士じゃないか。
「おい、アンナ。」
「そんなに睨まないでよ。こんな小さな女の子よ?取って食われるわけでもないでしょ?」
そう言うと私はアンとハイタッチをした。
「やれやれ。とっとと荷物をまとめて行きな。」
「そうさせてもらうわ。」
私は荷物をまとめると、花京院のいる部屋へと向かった。