第8章 【豊臣秀吉】医食同源②【R18】
「こら、そんなところにいると、また風邪をひくぞ」
「今日はたくさんご飯食べたから大丈夫」
秀吉からしたらたくさんは食べていないが、大好きな果実は食べていたようだ。もっと米や魚を食べてほしいところである。後ろから桜姫を抱え抱きしめればその細い腰を直接感じた。決して肉付きが悪いわけではない。その身体を思い出し、項から香る女の匂いを感じてしまっては男心がくすぐられないはずがなかった。
秀吉は、目の前にある桜姫の項へ唇を落とす。それに合わせて彼女の身体がキュッと小さくなり驚きの声をあげながら自分の方へと顔が向いた。
「びっくりしました」
頬を膨らませているのは抗議の表れだろうが、そんな彼女も可愛らしくて、自分の方へ向けられたその唇に自分のそれを重ね合わせる。抱きしめた手に力が籠れば、桜姫も腕にしがみ付いて来た。何度も合わせられた唇がほんのり離れ、桜姫が新しい空気を探して開いた口内へ舌をねじ込む。
クチュクチュと絡まる音が久しぶりの感覚を呼び起こし、恥ずかしさと興奮がまじりあった。身体を抱きしめていた手は、優しさを纏いながらゆっくりと動かされ、線をなぞるように桜姫の着物に触れている。
「んっ……ふぁ…ぁっ」
桜姫の甘い声が唇の端から漏れ始めて、秀吉の手も彼女の寝着の袷から胸の中へと差しこまれていった。柔らかい胸の感触に、自ずと自身が大きくなってくるのが分かる。
ツンと立ち上がった胸の頂は秀吉に触れてほしくてたまらないといった様子で熱を発していた。首筋へと舌を這わせ、胸を弄る自分の足の間で艶かしく身体を揺らす桜姫の顔は久々に見る女の顔をしている。
指が頂に触れるたびに小さな甘い声と反応が強くなり秀吉を楽しませた。久しぶりの感覚にあっという間に体の力が抜けていく桜姫を抱え、額に口づけを落とした秀吉は胸に差し込んでいた手を抜き、彼女を抱きなおす。
突然止められてしまった甘美な刺激を求めて桜姫が秀吉の胸に縋ったのを感じて、彼は思わず苦笑いを浮かべた。