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【イケメン戦国】天下の姫君【短編集】

第8章 【豊臣秀吉】医食同源②【R18】


秀吉の部屋で使用していた布団を干していると、女中頭に無理をするなと怒られた。信長様に仕えている人なので迫力がすごいのだが、いつも優しいのも知っている。布団干しは女中たちにお願いして、天主にいった秀吉を待っている間に自室に戻り片づけを始めた。数日前に倒れた時、落としてしまった風呂敷包がそのまま置かれていて、中身が汚れていないことにホッとする。新しい着物のための反物だ。今日は針子の仕事をすると秀吉に小言を言われてしまいそうだったので、次の楽しみにとっておくこととした。

「桜姫~」

廊下の向こうから秀吉の声がする。部屋から顔を覗かせて、顔を合わせると彼の所へ駆け寄った。飛びついてきた桜姫をしっかりと抱きとめると周りに誰もいないのを確認して優しく口づけをする。

「仕事が終わったから、今日は御殿に帰るか」
「本当?本当にお仕事終わったの?」
「ははっ、嘘じゃない。今日は本当に終わったから、御殿でゆっくりしような」

秀吉の言葉に大きく頷いた桜姫は、支度をすると秀吉と2人で御殿へ向かった。久しぶりに帰ってきた気がする御殿では、三成はじめ家臣の皆が笑顔で出迎えてくれる。

「姫様、おかえりなさいませ」

方々から声がかかり、桜姫からも思わず笑みが溢れた。隣にいる秀吉も嬉しそうにしつつ「俺の出迎えは?」と疑問を投げかけていた。

「秀吉様、おかえりなさいませ」

恭しく出迎えてくれた三成の言葉に苦笑いを見せたのは言うまでもない。
小さな宴が開かれた後、秀吉と桜姫は自分たちの部屋へと向かった。元気になった桜姫は秀吉と一緒に御殿にいられることが相当嬉しい様だ。
湯浴みを済ませ寝着に着替えた桜姫。熱があった間は湯浴みが出来ずにとても気持ちが悪かったし、色々と気になってしまっていたが今日は清々しく秀吉と過ごす事ができそうと心を躍らせた。
秀吉には先に褥に入っていろと言われたが、一人で閨に入るのは嫌だったので縁側に足を垂らして彼を待つ。
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