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【イケメン戦国】天下の姫君【短編集】

第15章 【豊臣秀吉】温泉へ行こう【R18】


つまりは、後で一緒に露天風呂に入る約束をした。
潤んだ瞳で見上げてくる桜姫を今すぐにでも抱きつぶしたいと思うほどに秀吉も熱を上げていたことは彼女には秘密である。
それからは、部屋でのんびりと過ごし少し忙しかった毎日を振り返って談笑したりと時間を潰した。
美味しい夕餉を摂ると、奥の部屋に中居さんが布団を並べてくれる。
綺麗に並べられた布団を見て、また顔を赤くした桜姫は、そっとその部屋の襖を閉めた。昼間のうちに宿自慢の大浴場にも入ってきていた秀吉は、部屋の露天湯の確認をしている。
本当に湯が好きなんだなと、その後ろ姿を眺めながら桜姫はほほ笑んだ。

「桜姫~、そろそろ一緒に風呂に入るか?」

大浴場は混浴の為、秀吉が貸し切りにしてくれるとも言ったが桜姫は遠慮して入らなかった。せっかく湯治に来たのだからと色々世話されたが、部屋のお風呂で十分だと思っていたし、秀吉と一緒に入る事を考えると心の準備が必要だったのだ。
しかし、いざ一緒に入ろうと言われて、また心臓が飛び出そうなほどにドキドキしている自分がいる。
桜姫は深呼吸をして、心を落ち着かせようとしていた。

「何してるんだ?」

露天湯の確認を終えた秀吉がいつの間にか背後にいて驚いた桜姫。

「いえ、その……準備……」
「準備?」

手拭いも着替えも全て秀吉が整えている。他に何を準備するのだろうかと秀吉は首をかしげる。
頬を染める桜姫を見下ろして、秀吉は彼女の頭をポンポンと撫でるとそのまま手を引いて露天湯の方へと向かった。
露天湯は岩風呂で、温かそうな湯気が立ち昇っている。
先に入って行った秀吉が、湯船の中から手招きをしているのが見えた桜姫は、恥ずかしさを感じながらも着物を脱いでいった。
手拭いで身体を隠しながら湯船に近づいて、そっと手を入れてみる。程よい湯加減なのは秀吉がそうしてくれたからだろう。

「おいで」

優しい声に誘われるように、ゆっくりと足を浸けていく。そのまま手を引かれ、身体を秀吉に包み込まれてしまえば、身動きが出来なくなってしまった。
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