第15章 【豊臣秀吉】温泉へ行こう【R18】
楽しみのあまり早くに目の覚めてしまった桜姫。
何故か隣に眠っている秀吉を見て嬉しさと驚きが入り交じった。一緒の褥で寝ればよいのに、頭だけ布団に乗せて身体は畳の上だ。
これでは身体が痛くなってしまうのではないだろうか?
「秀吉さん?秀吉さんっ」
身体を揺すって彼を起こすと、少し寝癖の付いた髪を掻き上げながら秀吉は起き上がる。
「あぁ、おはよう。桜姫」
「そんなところで眠って、身体は痛くない?」
桜姫の寝顔を見ていたらついついそのまま眠ってしまったと笑う秀吉につられて桜姫も笑顔を溢した。
「今日はお出かけですよ。支度しましょう」
「もう仕度するのか?」
「楽しみすぎて待てないっ」
桜姫は少し呆れ顔の秀吉を他所にせっせと支度を始める。
大して持っていく物もないが、風呂敷に包みながら秀吉との旅を想像して嬉しそうな顔をしていた。
ソワソワしている桜姫を放っておくわけにもいかないため、秀吉は馬の支度を整える。
「桜姫、俺の馬でいいだろう?」
最近、馬に乗れるようになった桜姫は、まるで子どものように自分の馬に乗りたがる事が多かった。
しかし、今回は初めて行く場所だし少し遠い場所であるため秀吉は自分の馬に一緒に乗っていくように諭す。
一瞬不満げな顔をしたのは見なかった事にして、秀吉は馬の支度を続けた。
城の皆に見送られて秀吉と桜姫は安土を後にするする。