第8章 Happily ever after ⑥トラウマ〜家康〜
今、家康に声をかければ、自分が何をされるのかは分かってる。
怖くないと言えば嘘になるけど、放ってはおけないし、受け止めたい。
「私は、大丈夫。家康の気持ちを、受け止めたい」
そう言ってサラは、震える手に力を込めて家康の背中に抱きついた。
「くっそ、」
吐き捨てるように言うと、
家康は起き上がり、サラに跨る。
サラの両肩を褥に押し込めるように押し付けて、首すじに吸い付いた。
「っ......」
首すじに僅かな痛みが走り、サラは体をビクッと震わせた。
家康は目を合わせず無言で、荒々しく帯を解き、袷を開いてサラの柔らかな場所へと、舌を這わせる。
「はっ、う.....ん」
何をされるのか分からない恐怖と、自分の体を知り尽くした感情のない愛撫から来る快楽との狭間で、気がおかしくなりそうだ。
でも、受け止めたい。家康の心を受け止めたい。
家康の首に手を巻きつける。
「愛してる。家康を愛してるよ」
声は届いてはいないのか、変わらず無言でサラの呼吸を奪い、急くようにサラの太ももへと手を滑らせる。
「あっ、」
足を押し開き、まだ準備のできていないサラの秘部を軽く舐め濡らすと、
息つく間もなく家康をサラの中に挿入した。