第8章 Happily ever after ⑥トラウマ〜家康〜
「どうして........来たの」
苦しそうに声を絞り出し、家康が呟く。
「急に帰ったから、何かあったのかなって........」
「早く出てって!」
「えっ?」
見た事のない、ううん、一度だけある。
信長様からエメラルドの首飾りを譲り受けた時に見た、怒りに溢れた家康の顔。
「家康?どう.......した...んっっ」
片手で顔を強引に寄せられ唇を奪われる。
「っん、.....んんっ.........っは」
強引に歯列を割って舌が入ってくる。
「っ、んっいっ、.......はなっ......っんん」
逃げようと、頭を捩るけど頭を掴まれビクともしない、逃げようとすればするほど苦しさが増してくる。呼吸を奪われて力が抜けた頃、唇が解放された。
「これ以上、酷いことされたくなかったら、今すぐ出てって!」
残された最後の理性で家康が叫び、サラから背を向けた。