• テキストサイズ

武将達との恋物語

第12章 野生な彼〜直江兼続誕生日sp〜



「っ……、兼続さんの誕生日なのに、私を喜ばせてどうするんですか」

「本当の事だ。お前がそばに居れば何もいらない」

「……っ!」
(ダメだ、褒め殺しにされる)


「じ、じゃあせめて、美味しい物を今日は作りますね」

「また厨の天井を焦がす気か?」

「もう、今日は焦ませんっ!」

鉄鍋で炒め物をしている時に、勢い余って油を注ぎすぎてフランベ状態になり、春日山城の厨の天井を焦がしたのはつい先日の事、兼続さんはその事を持ち出し意地悪な笑みを浮かべた。

「謙信様の大切な城だ。もう焦がすなよ」

「だから大丈夫ですってば。…もう、昨日(犬)の兼続さんは可愛かったのに……」

「何か言ったか?」

「いいえ。元に戻って良かったです」

「残念そうだな。何なら今夜も犬になってやろうか?」

ペロンっと、イタズラな顔で兼続さんは私の頬を舐めた。

「っ、それは…心の臓に悪いのでもう大丈夫です」

(あんな、フェロモンも体力も素直さも全力投球で毎度来られたら、心臓が止まるか溶けて無くなる自信がある)


「それは残念だ」

優しく目を細めた兼続さんは私に熱い口づけを落とす。

「兼続さん、大好き」

「馬鹿、朝から煽るな」


プレゼントは買えなかったけど、ご飯は美味しく、天井も焦がす事なく作れて、無事に兼続さんのお祝いをする事ができた。

後日佐助君から聞いたところによると、私が薬をもらったと言う露店はどこにも見当たらず、そんな店を見た者も誰もいなかったらしい。

狐に摘まれたのか、幽霊だったのか、密偵だったのかは分からずじまいとなったけど、兼続さん犬化の話は暫くの間、謙信様の酒席で大盛り上がりとなったのは言うまでもない。





/ 150ページ  
※結果は非表示に設定されています
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp