第8章 Happily ever after ⑥トラウマ〜家康〜
家康の部屋の前まで来ると、灯りはもう消えていたので、寝ていると思い、起こさないようにゆっくりと部屋に入った。
案の定、家康は布団の中で寝ていたが、酷くうなされて苦しそうにしていた。
悪い夢を見ているのだろうか。
2人でいる時には見たことのない家康の寝姿に戸惑いを隠せない。
家康は、幼い頃より人質として不遇な時間を過ごしてきた。
この事について、家康はあまり話さないし、思い出したくもないだろうと思い、サラも家康から話してくれる以外は話をしたことがなかったが、サラが思っているよりも深く、トラウマとなって家康を今でも苦しめているのではないかと、寝ながらうなされる家康を見て思った。
「家康、家康、大丈夫?」
家康の額の汗を拭いながら、呼びかける。
家康は、パチっと勢いよく目を覚まし
「きゃっ!」
額に乗せられたサラの手首を強く掴み、その体を反転させるように、サラを褥へと押し倒した。