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武将達との恋物語

第7章 Happily ever after ⑤安土城の珍客〜家康〜



「それで、何で戻って来たの?」
女性に向き直り、家康が冷たく言い放つ。

「家康っ、そんな言い方!」

「あんたは黙ってて」

家康が私を手で制止する。

「坊やに、会いたくて」
女性は、掠れるような声をやっと絞り出し呟いた。

「捨てたり、また戻って来たり、随分勝手なんだな」

「坊やを捨てた後、死のうと思って.........。1人であの人の後を追おうと思ったんですが、やっぱり坊やの顔がちらついて」
女性はそう言って泣き崩れた。


「私と、針仕事をしましょう」
女性の手を取り、とっさに言葉が出た。

「えっ?」
「はっ?」
家康と女性がびっくりして私を見る。

「サラ、何言ってんの?」

「だって、赤ちゃんをこれから育てて行くには、生活が必要でしょ?それに、元はと言えば戦で旦那様を亡くしたからで、軍のために戦ってくれた家族の面倒をみるのも、武将としての責務でしょ?だったら、私が針仕事を教えるから。」

「良いお考えですね、サラ様。」

三成くんが何かを思いついたように私に微笑む。

「確かに、織田軍の為戦い、命を落とした家族を蔑ろにするのは良くないですね。戦争未亡人となった女性やその家族が自力で生活できるようにする施設を提供するのは、今後の織田軍の繁栄にも繋がります。」

「そういう事ならば三成、この城の針子部屋を拡大して、直ぐに受け入れを始めよ。」

背後から、信長様の声が聞こえた。



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