第7章 Happily ever after ⑤安土城の珍客〜家康〜
「とりあえず、信長様、秀吉さん、光秀さん、政宗さん達は、事実確認を急いでください。本当に誰かの子だったりしたら、世継ぎ問題にも発展しかねませんから」
「家康様、私は事実確認は良いのですか?」
三成が何故自分だけと不思議そうに家康に問いかけた。
「お前はいい、サラ一人じゃ大変だから、世話できる女中を探して」
「では、皆さん速やかな解決をお願いします」
そう言って家康は広間を後にした。
真っ直ぐサラの部屋へと向かい、襖を開けると、サラは貰ってきた白湯を赤ちゃんに飲ませていた。
いつものサラより柔らかさが増してその綺麗さに暫く見惚れてしまう。
「家康?」
家康に気づいたサラが家康に笑いかけた。
「白湯、貰ってきたの?」
サラの横に腰を下ろす。
「うん。少しずつだけど、やっと飲んでくれて」
やっぱり、空気や笑顔がいつもより柔らかい。
「もうすぐ、三成が世話してくれる女中を連れてやってくるから、そしたらちゃんとこの子、渡しなよ」
サラの事だから、自分で面倒をみるとか言い出しそうで、家康は先に牽制をかけた。