第7章 Happily ever after ⑤安土城の珍客〜家康〜
広間には、いつのまにか武将達全員が集まって、赤ちゃんを囲む様に見つめる。
「あなた様って、一体誰だ?」
口火を切ったのは、秀吉さんだった。
「秀吉さんなんじゃないんですか?」
家康が突っ込む。
「ばっ、俺はそこら辺のことは、きちっとだな」
慌てて否定する秀吉さん。
「俺よりも、政宗、お前の方が怪しい。どうなんだ」
全員で政宗を見る。
「俺も違ぇよ。そんなヘマするかよ」
違うらしい。
次は、光秀さん。
「俺か?生憎だが、俺なら皆に知られる様な証拠は残さん」
何だか物騒な答えが返ってきた。
『三成なわけはないし』
口には出さなかったが、皆思うところは同じで疑いもしない。
「涼しい顔して家康、お前だってないとは言い切れないだろ!」
政宗が家康に疑いを向けた。
「ばかばかしい。俺が毎晩誰と一緒かは、サラが一番よく知ってますから」
しれっと、照れる一言で疑惑を切り捨てた。
じゃあ、残るはあと一人。
上座であぐらをかいている人物に皆んなで視線を向ける。
「ほう。俺の子と言いたいのか?貴様ら」
信長様がニヤリと笑う。
「でも、俺と三成以外の皆さんは、城下の女に手を出したと言うことに間違いは無いんですね?」
家康が再度確認すると、
「ああ.........」
全員が頷いた。