第6章 Happily ever after ④夜の思いつき〜家康〜
家康の口づけを受けとめながらも、思考が蕩けてしまう前に思いを伝えようと思ったサラは、そっと家康の胸を押し、唇を離した。
「サラ?」
「家康、あのね。」
「うん?」
頷きながらも、家康は私の頬に口づける。
「.......っ、あのね、だから、今日はね」
「聞いてるよ。何?」
カプッと耳を甘噛みする。
「あっ.......、だから、」
「だからはもう聞いたよ。」
クスッと笑いながら、私の着物の袷に手をかける。
「こっ、今夜は、私が家康を喜ばせたい!」
何とか気を保ち、家康に告げた。
「っ..........」
家康の手が一瞬止まる。
「いつも、家康が私の事たくさん幸せにしてくれるから、今夜は私が家康を幸せにしたいの。」
言い終わると同時に、大胆な事を言ってしまったと、体全体が炎に包まれたかの様に熱くなった。
「顔、真っ赤。」
家康は、そう言って私の頬を指でなぞったあと、ゴロンと私の横に寝転がり、横を向き、私をひょいと持ち上げて自分の上に乗せた。