第1章 あなたと両思い 〜徳川家康〜
「ほんとあんたってばかだね。
こんな赤い紅さして、
男を誘惑しに行きますって思われても
仕方ないんじゃない?」
家康はそう言うと
壁際にサラを追い込み。その華奢な手首を掴んだ。
「そんなっ.......ひどっ んんっ」
言い返そうとしたサラの口を家康の唇が塞ぐ。
「んんっ、ん」
強引に口内に侵入してきた舌にあらゆる角度から責められ、
身体から力が抜けていく。
そんなサラの体を家康は受け止め唇を離す。
「っ、どうして」
今日の家康は本当に変だ。
「これで少しはマシになったんじゃない?
紅濃すぎだったから。」
そう言って家康はサラの唇を親指でぐいっと拭い
紅を拭き取った。
「まあせいぜい秀吉さんの趣味を落とさないように頑張れば。」
そう言って家康はふいっと顔を背けて言ってしまった。
「な...に今の」
家康に触れられた唇に手を置き、
まだ冷めない熱を感じながら
サラは遠ざかる家康の背中を見つめた。