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武将達との恋物語

第1章 あなたと両思い 〜徳川家康〜



次の日
朝餉をすましたサラは、
秀吉との待ち合わせ場所に行こうと部屋を出た。

モテ男の恋仲役という事もあり、
いつもより、髪型や化粧、着物にも時間をかけ
自分なりに目一杯綺麗に着飾った。

廊下を早足で歩いていると、
向こうから家康が歩いてきた。

「家康、おはよう。」
朝から家康に会えた嬉しさから自然と声が大きくなる。

「おはよう。朝から大きな声出さないでくれる?
調子狂うから。」

いつも通りのそっけない一言。
その一言でいつもの家康なら通り過ぎてしまう所だが、
今朝の家康は違っていた。

「どこか行くの?」

「あっうん。」
思いがけず家康が話しかけてくれて
サラはびっくりしながら答える。

「秀吉さんに頼まれて、
町の女の子達の気持ちを鎮めるために
恋仲のふりをすることになって。」

「ふーん。
だからそんなにめかし込んで気合い入れてるんだ。
ふりなんて言ってるけど、
あんたも案外まんざらでもないんじゃないの?」

呆れ顔で家康が言う。

「....っ。そんなんじゃないよ!
秀吉さんにはお世話になってるし、
私でよければ役に立ちたいだけだよ。
それに私が好きなのは......」

誤解されたくなくて、
思わず本音を言ってしまいそうになる。

「好きなのは?」
そう言って家康が私に近づく。

何だか今日の家康は変。

「いっ家康に関係ない!
秀吉さんが待ってるから行くね。」

そんな家康の視線から逃げるように行こうとすると、

ぐっと手を引かれ、ドンっと力強く壁に寄せられた。


えっ⁈



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