第4章 Happily ever after②ある日の夢〜家康〜
こうしちゃいられない。
「恋人になるまで、どれだけ苦労したと思ってるの!
ツンツンした態度を取られた期間がやっと終わって
幸せを噛み締めていたのに!」
腕まくりをし、サラが家康を追いかけようとした時、
「昼寝した上に職場放棄かー?いい度胸だなぁ」
力強く肩を捕まれ振り返ると、
「えっ?顕如!?」
「ほー。部長に向かって呼び捨てとは、
お前も偉くなったもんだなぁ。」
エェッ〜顕如が私の上司!?
一体本当にどうなってるの?
「今日は、仕事が終わるまで帰れると思うな!」
首根っこを掴まれるように、オフィスへと連れ戻された。
その後、顕如部長からこっ酷く叱られ、
散々仕事を与えられたサラは、
夜遅くなっても一人でオフィスに残って残業をしていた。
「家康は、もう帰ったのかな。
でも家も知らないし。」
夢かと思って何度も顔をつねってみたけど、何の変化もなく、
戦国の世にいた事の方が夢であったのではないかとも思えてきた。
「家康......社長のことが好き過ぎて変な夢を見たのかも。」
涙が出そうになった、その時、
「泣いてるの?」
後ろから聞き覚えのある声がして
ふわりと抱きしめられた。