第4章 Happily ever after②ある日の夢〜家康〜
「あっ、待って」
へこんでいる場合ではない。
慌てて家康を追いかける。
「家康!待って!」
思いっきり叫ぶと、
くるりと、スーツ姿の家康が、振り返る。
(どうしよう。かっこよすぎる。)
高まった気持ちをぶつけるように抱きつこうとすると、
「あんた、誰?馴れ馴れしいんだけど。」
片手で払われるように避けられた。
「家康?」
呆然としていると、
「社員と慣れ合う気ないから。」
ピシャリと言い放たれた。
「ちょっとあなた、徳川社長になんなの一体。」
「邪魔よ!社長に言い寄ろうなんて生意気よ。」
家康の周りの容姿端麗な色気溢れる秘書達が、
私から隔離するかのように家康の周りを固め、
「社長、こちらへ。」
エレベーターに家康を誘導して行ってしまった。