第12章 野生な彼〜直江兼続誕生日sp〜
「兼続さ…んぅっ」
文字通り、噛み付く様な口づけが落ち、開かれた足の中心を滾るものが一気に貫いた。
「ああっ!!」
いかずちに打たれた様な衝撃が突き抜ける。
「はっ、ああっ、……っん!」
衝撃で離れた唇は、再び兼続さんに塞がれ、硬く熱いものがお腹の中を行き来する。
「ふっ、…っ」
(熱くて、息がうまくできない)
交互に訪れる息苦しさや気持ちよさに耐えるため兼続さんに抱きつくと、兼続さんの体もしっとりと汗ばんでいて、愛おしさが募った。
「あっ、っ、ん、兼続さん」
「……はっ、はっ、」
甘えた声で縋っても、犬になった兼続さんからは荒い息遣いしか聞こえてこない。
どんな兼続さんでも大好きだし、どんな抱かれ方をしても幸せだけど、
「名前はやっぱり…呼んで欲しいかな」
汗を浮かべる端正な顔に片手で触れて呟いた。
「……くぅん」
兼続さんの口から、鳴き声が……っ!
「兼続さん、今、名前を呼んでくれたんですか?」
何とも可愛い鳴き声だけど、きっと私の名前を呼んでくれたはずと思い見つめると、
ペロっと、舌で返事が返って来た。
(かっ、可愛いすぎるっ!)
「兼続さん好き、大好き。……ああんっ!」
犬化した兼続さんは普段以上の熱量で私を抱き続け、私はそんな兼続さんの腕の中で幸せに意識を手放した。
・・・・・・・・・・
そして次の朝目覚めると、私の体に触れながら項垂れる兼続さんと目が合った。
「兼続さん?」
「これは、昨夜俺がしたのか?」
「兼続さん、元に戻ったんですね?」
「何を言ってる?それよりも答えろ。これらは、昨夜俺がやったのか?」
私の体中に刻まれた痕(兼続さん的には狼藉の痕らしい)を見て、兼続さんはかなりやってしまった感を出している。
「覚えてないんですか?昨日、犬になってしまった事」
「はっ?」
お前、大丈夫か?と言いたげな顔…
(覚えてないんだ……?)
私は、昨日の事を兼続さんに説明した。