第1章 あなたと両思い 〜徳川家康〜
家康の御殿に着くと、
家康はそのままサラを自室へと連れて行き
褥へと組み敷いた。
「家康....あのっ、ごめんなさ....んんっ」
謝るより先に家康に唇を塞がれる。
サラの頭の後ろに手を回して深く唇を奪う。
深く、更に深く全てを奪うように家康の口づけは激しく続き、
呼吸を奪われたサラはその身体から力を失っていく。
やっと唇が解放された時には、
サラにはもう抵抗する力はなく、
肩で息をしながら涙目で家康の名を呼んだ。
「家康、どうして?」
「あんたのせいだから」
苦しそうな表情で家康が呟く。
「えっ?」
「あんたなんて要らなかったんだ。
なのにいつもふにゃふにゃと俺の前にあらわれて」
(な......にを、言っているの?)
「はぁーほんと調子狂う」
そう言うと家康はサラの体を褥から起こした。
「俺はあんたが好きだ。
だから、今も、この間も、口づけたことは謝らない。
でも、このままだともっとひどいことしそうだから、
イヤなら今のうちに帰んなよ。」
絞り出すように、
でも、まっすぐにサラを見つめながら家康は言った。