• テキストサイズ

ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第9章 お礼





「貴族の夜会であっても下品にはならない匂いだと思います。
むしろ男の色気がムワッとして女性方には好まれる香水を
使用されているのでは?」

「そうだね。今の香水はあくまで『仕事用』なんだ。
私が選んでほしいのは『私用』で使う物・・・かな。
だから気負う必要なく君が良いと思った物を選んでほしいと
思ったんだが・・・やはり厚かましい願いだっただろうか?」


悲しそうな表情をさせてしまった私はそれを全力で否定する。


「嫌だとか厚かましいとかそんな事は全然ありません!
その・・・選ぶのが私なんかで良いのかなって・・・
思いまして・・・」

「ラウリィの香水を選んだと君が言っていたから詳しいのかと
思ったんだが、違ったならすまない」


あぁ成程。
うっかり勘違いする所だったので更に恥ずかしい。

私は雑貨屋勤めで香水も扱っているし、一応貴族で
そういう物は目利きが出来るし、香水を選ぶなら
適材適所なのかもしれない。


「いえ、自信はありませんがエルヴィンさんに似合いそうな
香水を探しますね!それでエルヴィンさんはどのような感じの
匂いをご希望ですか?・・・普段遣いでも用途は色々と
ありますので・・・」

「そうだなぁ・・・表現が難しいが、大人しめの匂いが
好きかな。他人の為ではなく自分が安らげる匂いが良い」


エルヴィンさんの答えに私は少しホッとする。

どうやら私の勘繰りだったようだ。
てっきり好きな女性がいて、その方に合わせた香水が
欲しいのかと思ってしまっていた。



/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp