ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第9章 お礼
今までのようにこれからもこうしてエルヴィンさんと
お話が出来るのはとても嬉しい。
でも、本当にお礼はそれだけで良いのだろうか?
そんな考えが顔に出ていたのか、エルヴィンさんは
躊躇いがちに「もう一つ」と言ってくれた。
「私に合う香水を選んで貰えないだろうか?仕事柄、
身分が高い方々とも会う機会があるので泥臭さがあると
支障をきたしてしまうからね」
「・・・エルヴィンさん泥臭いですか??」
今までそんな風に思った事が無かったので疑問に思いながら、
ついスンスンとエルヴィンさんの匂いを無遠慮に嗅いで
しまった。
エルヴィンさんは既に身嗜み程度の香水は使っているようで、
彼を臭いなどと言う輩は絶対難癖をつけているだけだと
思うレベルである。
「・・・。私は構わないのだが流石に身体を
密着させ過ぎでは?」
そう言われ漸く自分がエルヴィンさんに抱きつくような
姿勢になっている事に気づき、頬を紅潮させながら離れた。
「以前から失礼な事ばかりしていて、
本当にすみません・・・」
「いや、そこまで謝らないでくれ」
恥ずかし過ぎて顔を隠しながらだが
「エルヴィンさんは全然臭くないですよ」と一応感想を述べる。