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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第6章 過去と現在の繋がり






「良かった・・・よくわからないが、君が少し元気に
なったようで・・・」

「あ・・・お陰様で・・・・?」


何故こんな状況になったかよくわからず疑問形で首を傾げると、
彼はまた穏やかに笑った。


――あぁ、この人が本当に笑うとこんな感じなのか・・・


私は夜会での彼しか知らなかったから、
今の彼がとても新鮮に思える。

いつの間にか涙も止まっていて、エルヴィンさんのハンカチを
汚してしまっていた事に気づき、奪うように彼の手から
それを引っ手繰った。


「ごめんなさい!ハンカチ汚してしまって・・・。
これは洗濯してお返しします!」

「気にしないで良いよ?どうせ、兵舎に戻って他の物と
一緒に洗うものだ」

「いえ!こんな汚いものをエルヴィンさんに持たせておく
訳にはいきませんから!」

「・・・汚いとは思わないが、そうまで言ってくれるなら
頼もうかな?」


困ったように笑われ迷惑だったかもしれないが、
こんな涙と鼻水で汚れてしまったものを渡すなんて
出来なかった。



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