ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第6章 過去と現在の繋がり
「はい、是非そうして下さい。洗ったら調査兵団へ
お届けすれば宜しいですか?」
「ハハッ、そこまでしてくれなくて良いよ。また近い内に
シーナへ来るからその時に渡して貰えれば・・・。
そう言えば君はどこかで働いていたね?そのお店に行けば
会える?」
夜会で接触するよりお店で会う方が好都合だった私は、
ダリウスさんのお店の場所を説明した。
「平日は大体お店にいると思いますが、いなかった場合の事も
考えて店主のダリウスさんにもお話を通しておきますね」
「わかった、助かるよ。・・・あぁ、それと、もしも君が
それまでにこの本が手に入らなかったら、貸し出すよ?」
「え!?良いんですか?」
「勿論、この本は私が横取りしてしまったようなものだからね。
次シーナに来た時にも持ってくるよ。貸し出した方が君も
余計な出費をせずに済むだろう?」
「ありがとうございます。正直、貸し出して頂いた方が
助かります」
エルヴィンさんが「何なら今すぐに貸そうか?」と言ってきたが、
お金を払った彼よりも先に読むなど出来ないと突っぱね、
大凡二週間後くらいにまた会う約束をして別れた。