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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第6章 過去と現在の繋がり





ポツリと落とすように静かに笑ったエルヴィンさんの表情が
とても綺麗に感じて、思わずジッと凝視してしまった。

男の人の微笑みをこんなに美しいと思った事はない。

寂しそうで嬉しそうで・・・どんな感情が込められた
微笑みなのか私には測りかねたけど、この人は今まで
沢山傷ついて、責められて・・・その人生の中で生まれた
微笑なのでは?と漠然と思った。

夜会でもいつも微笑っていたけどそれはどれも作り物っぽくて、
もしかして今の微笑みがエルヴィンさんの素の表情なのかも
しれない。


「ふふ・・・エルヴィンさんの今の顔好きです」

「え?」


驚いた表情を向けられてから、私は自分が一体何を無意識に
口走ってしまったのかわかり、顔を真っ赤に染めながら
弁明する。


「す、す、す、すみませんっ!!!今のは何と言いますか、
夜会で見かけるエルヴィンさんの笑顔よりも今の方が素敵だと
・・・あ、いや、そうではなくてですね!いつも無理して
笑っているのかなとか・・・あぁ、重ね重ね失礼な
事を・・・っ!!」


頭の中が混乱し過ぎて、自分でも支離滅裂な事を言っている
自覚があり過ぎて更に墓穴を掘る。

今度は違う意味で半泣きしていると、
今度は楽しそうに笑われ「落ち着いて」と頭を撫でられた。



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