ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】
第3章 かつての私
「それで、これからどうするつもりなんだ?
まさか、ラウリィの後を追うつもりじゃないよな?」
心配そうに尋ねるダリウスさんの言葉に首を横に振り、
自分はもう一度生きる事に決めたのだと決意を告げる。
「私はラウリィの後を追うつもりはありません。
ただ、彼の死の真相をもう少し調べたいとは思っています。
もう五年も経ってしまっていますが、もし残っているなら
もう一度遺品を引き取りに行こうかと・・・」
「・・・墓参りには?ラウリィは身寄りのない調査兵だったから、
恐らくローゼにある合同墓地に埋葬されていると思うぞ?」
「五年前は気が動転し過ぎていてお墓参りまで頭が
回りませんでした。今度行ってみます」
「きっとラウリィも喜ぶぞ」
「はい、ダリウスさん本当にありがとうございます」
その後も二人で色々話し合って私が家を出るつもりだというと、
ダリウスさんが力になってくれると約束してくれた。
そんな事をすれば危険があるかもしれないと
知っていたはずなのに、彼は「老い先短い自分には
何の問題もないよ」と笑ってくれた。