• テキストサイズ

ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第3章 かつての私






私は生きる為に再び二重生活を送ることになった。

屋敷では親に従順な人形を演じ続け、
外に出ればダリウスさんのお店で働かせて貰ったり、
色々調べ事をしたりする毎日。

あれから何度か夜会に行く機会もあって、
その度にハンサムな彼を見掛けたが、
私はあの時の約束通り声を掛ける事はせず
遠くから見守っていた。

私に気づいた彼は何か言いたそうにしていたが、
彼の周囲には常に人がいてそれどころではなかったらしい。

果たして彼は私に何を言いたかったのだろうか?

この前の泥棒の件を誰にも言わないようにという再度の釘を
刺したいのだろうか?

それならば誰にも言うつもりはないから
安心してほしいのにとは思ったが、
それを伝える事も出来ず日々が過ぎていった。




/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp