第1章 『はじめまして』
なのに男性は当然かのように話を進めてくる。
大丈…夫……かな??
思った束の間。
「どうか、新たな本丸の審神者になって頂きたいのです!」
はぁ……えっ、ん?!
『なんです、か?その……審神者って?』
聞くだけにしていたはずが普通に驚いて答えてしまった。
それにしても聞きなれない単語が出てきたぞ?
さにわ?……ハニワじゃなくて??
『あの、サニワかハニワか知りませんが、何故それを私にお願いするんです?この状況を見て思わないのですか?』
半場八つ当たりに過ぎなかった。
いざこの身を絶とうとしている者に対し、なぜそれを口にし言えるのか。
私にわ解らない。
『もう、私には…生きる意味が無いの……』
唯一の家族を失って、親族達にたらい回しにされて、邪魔者扱いされて。苦しくて苦しくて仕方がない。
それにもうここは、大好きな母も父も姉も居ない居心地の悪い世界なのだ。
そう思うと涙が止まらなかった。
目から溢れる涙が、頬を伝う。