第2章 初めまして
息を整えながら、自分の教室に向かう。
通りすぎる教室の中ではどこもHRを行っている。
『う~ん…これは後ろから入った方が
良い系っぽい……?』
寝坊なんかしなきゃ良かったとつくづく思いつつ、大きく深呼吸をした。
教室の後ろの窓からそっと中を覗き込むとまだHRは始まったばかりのように見える。
『……素直に遅れましたって入るべき?でも流石に恥ずかしいしな……。』
悩みに悩んで、後ろから静かに入ることにした。
カラカラ…………
静かに扉開けたつもりだt「本宮~有言実行で寝坊かぁ?」
余計クラス中から視線を集めることになった。
…………寝坊なんかしなきゃ良かったとホントに思った。
前に出て自己紹介するように担任に言われ、半ばやけくそで自己紹介をした。
「本宮です。よろしくお願いします。」
「なんやあっさりやな。んじゃ、本宮の席は……あ、白石の隣空いとるやん。白石、面倒見たれよ~。」
「任せとき。本宮さんこっちや。」
白石?……あ、そうか。3年2組には、白石と謙也がいるんだっけか。すっかり忘れてた。神様、嫌でもテニス部員と関わらせるつもりか……。
「本宮さん?」
固まってる私を見て、白石…君は、どないしたん?と不思議がっている。
「あ…えっと……スッゴい綺麗な顔でびっくりした。」
「ハハッ笑 白石、ナンパされとんとちゃう?w」
「アホか。見てみ、謙也。本宮さん、困っとるやろ?」
白石君の前の席に座る謙y…忍足君にそう話している。内心困ったし、男の子2人に見つめられる事なんかそうそうないし、若干引き気味に後退り苦笑した。
「お~い、早よ座れ~授業するで~。」
担任が教科書を持って、まだ座っていない私に声をかけた。先生、この微妙な空気読んで……。
「本宮さん、早よ座り。教科書ある?無かったら言ってや?」
そんなことお構い無しに、白石君が隣の席に座るよう言ってきた。とりあえず、授業を受けるために椅子に座った。