第2章 初めまして
キーンコーン…カーンコーン…
授業が終わって、ふぅ…とため息ついた。
神様にお願いして、1ヶ月遅く転校したかいがあった。
1ヶ月前ーーー
『この僕が1ヶ月、みっちり勉強を教えてあげるwしっかり覚えてね?(^言^)』
『よ、よろしくお願いします汗』
黒い笑顔の神様にそう言われた時は、マジかと思った。参考書を渡されるか、家庭教師的な人に教わるのかと勝手に考えていたが、まさか神様直々に教えてくれるとは思っていなかった。
『そこは、こっちの公式。』『これ何でこうなったわけ?』『…ホントにバカなの?』『次進みたいんだけど?』
結構なスパルタというかキツい言い方で何度かへこたれそうになったが、なんとか1ヶ月中に中3の内容に少し入った。
『僕が教えたんだから、テストもそれなりに良い点数取ってね?(´言`)』
『ヒッ……わ、分かった……』
あの笑顔は、心臓に悪いなと思い出し慌てて脳内から追い出すように頭をふった。でも神様のおかげで授業には、なんとかついていけそうだ。ノートをめくって授業の内容を確認していたら隣から声をかけられた。
「分からんとこあったんか?」
「え?あ、大丈夫だよ。」
「ならええけど。…へぇ!自分、綺麗な字やな。なんか習っとった?」
「あっちで習字やってたよ~」
「またこっちでもやらへんの?」
「う~ん…考えてみるよ苦笑」
苦笑しながら答えるとそれ以上興味が無くなったみたいで、前の席の忍足君と話し始めていた。
『このまま関わりが減る事を願おう。厄介事に巻き込まれるのはいろいろめんどくさいし苦笑 巻き込まれたら楽しそうだけど…平和が大事…』
トントンッと教科書類をまとめて机の中にしまっていると前の席の女の子が話しかけてきた。
「次の授業、移動やで?」
「そうなの?教えてくれてありがとう笑」
「場所分かる?」
「えっ…と、第1理科室?」
「残念、第2や笑 一緒に行かへん?」
黒髪ロングでモデルかと思うような綺麗な子がこてんと首を傾げている。
『このクラス、美男美女が多いのかな?』
ぼんやりそんな事を考えていると、行かんの?ともう一度首をこてんと傾けて聞かれ慌てて行くと返事を返した。