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JOJO/Short stories

第3章 青い春と漫画家【4部 仗助(露伴)】






来てしまった。

目の前の岸辺邸を忌々しく見つめながらも、仗助はそこから動けずにいた。


くそ〜〜〜ッ…どーーしても気になってここまで来ちまったが………ただこっちの方に歩いてくのを見たってだけで、本当に千尋が居るのかどうかも分からねえのに突然訪ねていくっつーワケにもいかねーぜ。
だが、ここまで来といて何も確かめずに帰るってのもいただけねえよなァ〜〜…


どうしたものかとぐるぐる考え込んでいると、ガチャリと玄関のドアが音を立てて、渦中の家主が姿を見せた。慌てて物陰に身を隠す。
チクショー、なんで露伴相手にコソコソしてんだ、オレはッ!


そっと様子を伺っていると、なんと露伴に続いて家の中から出てきたのは、千尋だった。



頭をガツンと殴られたような衝撃に、仗助は立ち尽くしてしまう。

千尋と露伴は何やら楽しそうに会話しているが、内容までは聞き取れない。

何だ、何だどういう事だ、お前らどういう関係だ!?
焦りだか怒りだか嫉妬だか分からない感情の塊が胃の辺りをぎりぎりと圧迫して呼吸が苦しい。
まさかアイツ、本当に露伴と?

とてつもなく重たい何かが身体の中で暴れているのに、思考は真っ白になって何も考えられない。
ただただ呆然と視界に飛び込んでくる2人を眺める事しかできずにいると、ふいに露伴が千尋に耳打ちした。
途端、かあっと彼女の頰が赤く染まる。


ああもうだめだ、限界だ。
それ以上見ていられなくなって、仗助は最悪な気分で引き返した。
何もできない情けなさと、彼女に対して今まで何も行動しなかった自分への苛立ちで、どうにかなりそうだった。






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