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絶望の果てにあるもの

第23章 休息の時間


「仮にやぞ?そこでレンが声掛けとったとしても…アイツは同じことしたと思うで?」

『だと思う…それはあたしの勝手なエゴなんだと思う。そこで声をかけてて同じ事になったとしてもあたしの中でなにかが変わってたのかなって…莉緒…何を考えて消えたんやろな…』

レンはそう言ってしっかり開ける事のほぼない目をしっかり開けて上を向いた。

『さて!仕事に戻らな…平子さん…聞いてもらっておおきに!!』

レンはそう言って瞬歩で去っていった。

平子は実は最後の莉緒の言葉を聞いていた。
でも、それを伝えていたら今のレンには酷すぎると思ったのだ。

【平子隊長…レン隊長に…ありがとうございますって…あの時…思い出しましたよ…戌吊で…いつも気にかけてくれていた事…私を止めてくれてありがとうって伝えてください…】

そう言って莉緒は微笑んで消えていった。

今のレンにそれを伝えてしまったら絶対に自分を責めてしまうだろうから。

今のレンは誰でも分かるくらいに落ち込んでいることは明らかだった。










レンは仕事が終わりに恋次の部屋に寄っていた。

「レン…」

『ん?なんやの?真面目な顔して…』

「お前は…このままの市丸姓でいくか、俺の姓になるか…どっちがいいんだ?」

『考えたこともなかったなぁ…で?なんでそんなこと聞くん??』

「そろそろ…婚姻届だしておこうかもと思ってよ…お前の指…のサイズわかんねぇし…合うかわかんねぇけど…」

恋次が渡してきた小さなケースの中に入っていたそれはパワーストーンが指輪になっているもので白く濁っているのにキラキラと輝いていた。

『これ…婚約指輪?結婚指輪?』

「両方…って言ったらダメか?今月……檜佐木さんに誘われて金なくて…」

『ええよ…明日だしてしもたら…阿散井隊長になってまうなぁ~?』

「そうだな…」

恋次は嬉しそうに言うとお猪口に入った酒を1口飲んだ。
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