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絶望の果てにあるもの

第20章 新しい生活と新たな敵



親戚達は舌打ちをしてその場を去っていった。

それからというもの…何かとその親戚達はレンとギンの前に現れるようになった。

その度にギンは文句、泣き言1つ言うことなく、謝り続けていた。









『そんなこともあったなぁ…』

「呑気だなぁ…お前はよォ…俺だったらキレてるってのによぉ…」

『呑気で居なきゃやってられへんし。あたしが霊術院に入るまでアイツら来はるし。』

レンは冷静に言ってからお茶碗に入ったお茶を少し飲んだ。

「わしは…あやつが何かを背負っておるとは知っては居たんじゃが…わしが立ち入ってはならんと思っておった。早く気づいてやれば良かったのかも知れぬのぉ…」

元柳斎はそう言って眉を八の字にした。

『じいちゃんは悪くない…あたしは生きてココにいる事が幸せ。季南が皆の反対を押し切ってくれたからココにいるんだもん…じゃないと…大切な仲間とも会えなかった。それなのに…親孝行なんて一つも出来ないまま…親は1人だけになっちゃった…だから…ギンにはあたしの父親としてではなくもうひとつの男としての人生をもう一度、生きて欲しいなって…』

「レン…お前ってほんとに優しいやつだよな。俺に親がいたならそう思ったのか怪しいってのによ。」

恋次は泣きそうになっているレンの頭をわしゃわしゃと撫でた。

そんな平和な日々が長く続くと皆が思っていた。
しかし…その翌日に事件は起こった。















十一番隊隊舎

『おはよーみんなー…』

「「「おはようございます!!レン隊長!!!」」」

あきらかに眠そうにレンは出舎した。
隊員は新隊長を貶すどころか、レンをアイドルの追っかけのように…
【我ら、レン親衛隊員!】
と言うようになった。

実は、レンが十一番隊にいた頃に設立されたもので、隊長になってから表に出てきただけなのである。
十一番隊で禁忌とされる席官である四席に就任し、隊長まで登りつめた十一番隊の誇りであり荒地に咲く花。

今となっては男ばかりの中に咲く花に皆が夢中なのである。

そんなこんなでレンは十一番隊隊長として受け入れられている。
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