第16章 新しい物語の始まり
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「霊力のことなら…気にするな…誰も…お前を責めたりしねぇよ…」
『ありがとう…あたしは大丈夫だから…』
レンがそう笑うと日番谷は瞬歩で去った。
『(知ってる…みんなの言いたいことくらい…だけど…自分で自分を責めてる…全てを…向いてるわけない…みんなを纏めるなんて…こんな奴…最低だよね…生きてる意味もないよ…)』
「レン…生きる意味もないとか考えてないよなぁ?」
『流石…恋次…全て分かってしまうんやね…』
「そりゃそうだろ…お前の様子を見てりゃ分かる…」
『隠してたつもりやったんやけどなぁ…』
「どんなに隠してたって少しだけ残ってる霊圧が震えてんだよ…隊長格なら誰でも分かるっつうの…」
『恋次…あたし…このまま…霊力が戻らんかったらがどうしたらいい?人間として生きて…働かないといけないのかなぁ…』
「大丈夫だ。なんとかなるだろ…その時は…俺が養ってやるからよ…」
恋次はレンを優しく抱き締めて言った。
違う…レンじゃない…そんな違和感を感じつつ…
『優しくしないで…余計に辛くなるやん…泣きたくなるから…』
「鳴けよ…」
『恋次…それ漢字が違う…』
「気のせいだって…」
『いやいや…気のせいちゃうやろ…この体勢何なん!?なんで…あたしが恋次に押し倒されとるん!?』
「嫌なのか?」
『嫌とかやない…なんていうか……恥ずかしい…』
レンはそう言って顔を紅くしている。