第2章 Dolce【ミスタ】
「うわぁ…!かわいい!」
今までじっと見ていたチヒロが満面の笑みを浮かべて身体を乗り出した。大きな瞳いっぱいにオレとスタンド達が映って、オレの心臓はまた小さく跳ねる。
「素敵なスタンドね、ミスタ!可愛いわ、とっても!妖精みたい!」
「よッ…妖精ェ〜!?よしてくれよ、ファンタジーやメルヘンじゃああるめーし!」
「ねえ、この子達に私のケーキをあげてもいいかしら?」
「えッ!そ、そりゃあいいけど…」
あんたの分なのに、と言おうとした時には既に、奴らは彼女の手元に群がっていた。
「ワーーーッ!クレーーーーーッ!!!」
「イチゴノトコロハオレニクレヨォーー!」
「ズルイゾーー!オレノダ!」
「はいはい、大丈夫よ。皆にあげるわ」
フォークで小さく切り分けたイチゴとケーキを1人ずつに配ってやりながら、チヒロはとても楽しそうだ。