第4章 Pranzo【護チ】
「僕も手伝いますよ、チヒロ。一緒に用意しましょう」
言いながらさり気なく隣に並ぶ。もちろん料理の間中、彼女を独占するつもりだからだ。
共にキッチンに立てば、それだけ接する時間も増える。
「ありがとうジョルノ、助かるわ。それじゃあ、テーブルにお皿を並べておいてくれる?」
「えっ」
「パスタにするから、少し深めのお皿がいいわ。あ、あとグラスも。お願いできるかしら」
「……ええ、もちろん」
咄嗟に笑顔で引き受けたものの、胸の内はまるで逆。
しまった、誤算だった。
せっかくのタイミングだったというのに、よりにもよって彼女のいるキッチンから1番離れたテーブルに来てしまった。
不本意ながら食器を取りに向かう彼の背中を、ナランチャの呟きが追いかける。
「残念だったなァ〜、ジョルノ」
「ナランチャ、さっさとテーブルの上を片付けてくださいよ。準備ができません」
ぴしゃりと言ってのけるジョルノの口調は、先程と打って変わって冷たい。