第4章 Pranzo【護チ】
「あああーッ、腹減った!こんなんじゃあ集中できねえッ」
今日、最初に行動を起こしたのはナランチャだ。
鉛筆をぽいと放り投げ、くるりと向きを変えて椅子の背もたれ上に腕を組む。
「なあなあチヒロ、いい時間だしさあ、一緒に昼飯食いにいこうぜ!オレこの前美味い店見つけたんだ」
少し離れた彼女に向かってニコニコと提案するも、そうはさせるかとばかりにフーゴが割って入った。
「ナランチャ、まだあと3ページ問題が残ってます。それにチヒロは今テレビ番組を見てるでしょう。邪魔をするもんじゃあない」
「フーゴ、私はいいのよ。ちょうどお腹も空いてきたなって思っていたところだったし」
立ち上がった彼女に、誘った当人以外の面々はぎくりとする。が、それは杞憂に終わった。
「でも、私達2人だけでお昼を食べちゃうわけにはいかないわ。皆もお腹空いてるでしょう?
そうね…何か作るわ、ちょっと待ってて」
そう言うと、柔らかい笑みを浮かべてぱたぱたとキッチンへ向かう。グラッツェ、楽しみだなと返しつつも、ナランチャは内心歯噛みした。
くそ〜ッ、今日こそは2人っきりで飯に行こうと思ってたのによォーッ…!
ちらりと横目にフーゴを見やると、ざまあみろとでも言いたげに口角を上げている。
この野郎、後で覚えてろ。
この腹立たしい笑顔に絶対一発ブチ込んでやる、と決意を固める彼の横をジョルノが通り過ぎた。