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幼馴染とおうちごはん

第4章 グラタン


「お疲れ様でした」

 今日のバイトが終わって、のんびり家に帰ろうと帰路についていると向こう側からこちらに向かってくる人がいた。

「おう、水瀬。お疲れさん」
「鬼龍くん? どうしたの? こんな時間に」
「買い忘れとお前の迎えにな」
「え?」

 手を上げて声をかけてきたのは鬼龍くんだった。たしかに手にはスーパーの袋を持っていた。でも、私の迎えに来るにしては距離があるような気がするんだけど…?

「ほら、帰るぞ」
「あ、うん」

 今日は確かおじさんもいるからちはるちゃんのことは大丈夫だとは言え、買い忘れたものを買いに来るついでに私の迎えにくるのは少し無理がある気がする。バイト先は学院の近くだから地元から距離もあるし…あ、もしかして蓮巳くんに言われたから?

「夕飯あるからよ、食ってけよ」
「え、でも、遅いし、悪いよ…」
「大丈夫だ。父ちゃんも夜勤に行く時間帯だし、ちはるも寝落ちするだろうしな」

 私は言われるがまま鬼龍くんの家に連れていかれた。

「お、2人ともおかえり。あやちゃんはバイト、紅郎はお迎えお疲れ様」
「ただいま戻りました」
「ただいま。もう行くのか?」
「あぁ。ちはるはもう風呂済ませて寝かせたからな」

 着いた時にはおじさんが夜勤に向かうところだった。笑顔で手を振りながら夜勤に行ってしまったおじさんを見送ってから私はダイニングに向かった。

「お、ちょうどいい感じかな」
「鬼龍くん、何か手伝う?」
「もう出せるから座って待っててくれ」

 鬼龍くんに座らされて、何もできることがなくて手持ち無沙汰になってると鬼龍くんは料理の乗ったお盆を持ってやってきた。
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