第1章 鶏のから揚げ
今日の献立は唐揚げとサラダとみそ汁と白飯だ。唐揚げは後から揚げるので先にサラダとみそ汁から作る。
「水瀬、何サラダがいい?」
「じゃあ、私ポテトサラダがいいな。ゆで卵入りの」
「了解。みそ汁は任せていいか?」
「うん。玉ねぎとほうれん草でいい?」
「あと豆腐の期限やべぇからそれも入れてくれ」
「おっけー」
俺がサラダ、水瀬がみそ汁と分担を決めたら作業をそれぞれ始めた。俺は先にゆで卵を作るために鍋に水を張ってコンロにかけた。一緒にじゃがいもも洗っておいて、卵と一緒にゆでておく。そうしたらじゃがいもに火も通せて、皮もむき易いから一石二鳥だ。
「水瀬、鍋少し待ってくれな」
「わかった。あ、キュウリも一緒に切っとく?」
「あぁ、あとな…」
先にみそ汁の具材を切っている水瀬がついでにサラダ用の具材も切ってくれるからキュウリやニンジンも頼んだ。俺はその間にレタスを千切りながら水で洗って、大皿の用意をして、サラダと唐揚げに使うやつに水気をきったレタスを並べた。
「鬼龍くん、ニンジンもゆでるの?」
「頼む」
ニンジンも一緒に鍋に入れてゆでてもらい、水瀬はその間に味噌や出汁の準備を始めている。出汁は市販の顆粒タイプのものを先に水を入れたボールに入れて溶かしてる。味噌は冷蔵庫から先に出していた。
「よし、鍋空いたぞ」
「ありがとう」
ゆで卵、じゃがいも、ニンジンを鍋からお湯とともに一旦ボールに入れて、鍋を洗って水瀬に渡す。俺は卵の殻とじゃがいもの皮をむいてからキュウリも一緒にボールに入れてから木べらを使ってじゃがいもとゆで卵を潰す要領で具材を混ぜ合わせる。じゃがいもとニンジンとゆで卵の形がなくなったところでマヨネーズと塩コショウで味付けをしたらポテトサラダは完成だ。
「あとはこれだな」
ポテトサラダを大皿に盛ってから、俺は冷蔵庫に入れおいたものを取り出す。昨日のうちに鶏もも肉を醤油とショウガ、はちみつで漬け込んでおいたものだ。保冷パックに入れておいたのでその中に片栗粉を入れて更に鶏もも肉に揉みこんだ。
「やっぱいい匂いだな…」
「お腹すいた?」
「そりゃ裁縫仕事も稽古もしてたからな」